ゲーム感想

にゃんと素敵な夏色デイズ

筋書きは対象年齢:小学校中学年向けといった雰囲気でありつつ、なにげない言葉に血と神経が通った、とてもよい作品でした。日付を飛ばさずに一日一日を刻んでいくオールドスクールなスタイルも、作品のありようとしっくり噛み合っていてよかったですね。 ミ…

わんこの嫁入り(1~2作目合わせて)

少しばかり前置きの話を。 泰矢さんは子供の頃にコハルさんアズキさんの二人と結婚の約束を交わしたらしいんだけど、あんまりちゃんと覚えてない。再会後に泰矢さんが改めて二人と「結婚しよう」となるまでの半年の時間についても、描写はほとんど飛ばされて…

IDOLY PRIDE/エピソード"星見編"

つらつらと。 渚さんのこと 渚「そうしたらそこに息を切らせた琴乃ちゃんが来て 私はノートを開いているところを見られちゃって」 牧野「琴乃、怒ったんじゃないのか?」 渚「それはもう……一生懸命に謝ったんですけど なかなか許してはくれませんでした」 「…

CUE! / エピソード"おためしマーケット"

凛音「アリス! 大丈夫?」 アリス「バッテリーにエラーがあります。分解して確認してください。」 凛音「え! 分解するの!? 出来ないよー、そんなこと!」 アリス「助けてください。行動が出来ません。」 凛音「ええ、どうしよう? 何をすればいいの?」 …

CUE! / エピソード"廻る日の1ページ"

©Liber Entertainment Inc. 前置きとして、少しだけ「未来」についての話をしておきたい。 ©Liber Entertainment Inc.("カレイドスコープ"より) 本作のお話を読み進めると、陽菜さん達が本番のお芝居をする場面が、ストーリー中で綺麗に避けられていること…

CUE! / エピソード"Secret Garden"

まほろさんが結構びっくりするようなこと言い出すんですけど、詳しく聞いてくとなんだかこう微妙に言いがかりというか、絡み酒っぽい雰囲気も漂いはじめる。いやいやまほろさん、「抱えた闇」て。 まほろ「あのさ、美晴。前から聞きたかったんだけど。」 美…

CUE! / エピソード"リンケージ・マイナー"

関係性という言葉は、AさんはBさんのことをこう思ってこう接していて、BさんにはAさんがこう見えていて……というような、互いの主観をまたぐ、一歩引いた場所から見ることで成り立つ言葉だろう。でもこのCUE!という作品を読むにあたっては、そんな場所に立っ…

CUE! / エピソード"What a girl wants"

柚葉さんが今朝方から居ないと思ったらシンガポールに飛んでて、それは実は昨日千紗さんとした会話がきっかけで……という成り行きの会話。 ©Liber Entertainment Inc. 千紗「うん、柚葉からみたい。……はい、もしもし。」 柚葉「チサ~! 久しぶり!」 千紗「…

CUE! / エピソード"dig down メモリーズ"

©Liber Entertainment Inc. ガチャのあるゲームに色々触れる中で、こういうゲームって「何を描かないことを選ぶか」は大事だなーと感じるようになった。ガチャを引かないと読めないエピソードがあるなら、そのエピソードを読める人も読めない人も、どちらも…

CUE! / エピソード"グロウアップ・デイズ"

夜の闇に灯る無数のイルミネーションというのは、悪い意味でなく、どこか落ち着かない気持ちを呼び起こすように思う。 "グロウアップ・デイズ"陽菜さんのエピソードは、日の落ちたオフィス街をお仕事帰りの陽菜さんとほのかさんが歩く、その景色がまずとても…

ココロが繋ぐ恋標(3)

洸希「昔はどんなゲームやってたっけ……?」 日向「一番多かったのは、飛んだり跳ねたりして、敵をやっつけるゲームかな」 洸希「やっぱり、一緒にやるとなるとアクション系かぁ……」 「てか、ヒナ姉は意外と上手かったよな?」 日向「コウ君ほどじゃないと思…

ココロが繋ぐ恋標(2)

姫乃「た、卵焼きは、その、挑戦してみたんだけど、全然うまくいかなくて、それは形はまだマシだったんだけど、味が濃すぎて……」 洸希「いやいや、弁当だから、これでいいんだって! やばい、最高すぎる!」 テンションただ上がり1なんですけどー! 姫乃「そ…

ココロが繋ぐ恋標(1)

ココロ「ちがうの! ほんとにキレイなの! ほらほら!」 洸希「あぁん?」 ココロ「ほらほら! 見て見て!」 洸希「……あー、まぁ……そうだな……」 ココロ「でしょ? えへへ」 洸希「……何笑ってんだよ?」 ココロ「えへへ、なんか、嬉しいなーって」 洸希「何が…

LOVE³ -ラヴキューブ-

壱成「えー、ちゃんとって……」 「……めちゃくちゃ可愛くなっててわからなかったよ」 和花「えー、ほんとですか? ほんとにー?」 「そっかー可愛くなれたかー、えへへ~♪」 「わたしも、そう言ってもらえるように色々と頑張りましたので♪」 「先輩にそう言っ…

恋はモフモフ!ラブ・ミー・テディ

明らかにななついろ★ドロップスに喧嘩売ってるでしょ1みたいな導入から、最後までナンセンスに片足どころか両足まで漬かったみたいなお話ではあった。 だけどこのとりとめのない会話が、やり取りが、いちいち可愛くて仕方なくてさ。 芽衣「家に代々伝わる文…

猫忍えくすはーと2

下野動物園は下野公園の敷地内にある、国内有数の規模を誇る動物園だ。 多少ずらしてはいるにせよ、春希さん達の行き先としてこういった固有名詞が――しかも都立の動物園の名前が出てくることには、若干の驚きのようなものがあった。前作にそういうものがあっ…

迷える2人とセカイのすべて(3)

フィア「こんぶは海のミネラルがたっぷりなの。でも、ぬるぬるして変なにおいがするの……」 一馬「いや……たぶん広原が欲しいのは、そういうのじゃないと思う。ていうか、あんまり持ってると匂いがうつるぞ。ポイしなさいポイ」 フィア「そっかー、ざんねん………

迷える2人とセカイのすべて(2)

鈴蘭さんの、普段割と大人っぽいのに、ときに飛躍してしまうところが好きです。 ここがどういう場所なのか、本当はきちんと話してから彼を連れてくるつもりだった。 一馬「なあ、結城――」 鈴蘭「やー、その、別に何でもないって言うか、矢神くんは知らなくて…

迷える2人とセカイのすべて(1)

必要な毛布は何枚? 一枚? 二枚? いいえ、ありったけ! 一馬「どうする? 俺と六連星でさっと取ってくるか? 毛布六枚くらい、二人で持てるだろうし」 鈴蘭「別に一人一枚って決まってるわけじゃないじゃん。みんなで行って、ありったけの毛布を持ってきち…

金色ラブリッチェ-Golden Time-(5)

青空の下、緑の草の上で、黒髪の女の子が、いつかの理亜さんに似た笑顔を浮かべている。央路くんがその手を握り、理亜さんがその身体を後ろから抱く。そんな光景を目の当たりにしたときに感じたものは、多分、前作で最後の一枚を見たときに湧き上がってきた…

金色ラブリッチェ-Golden Time-(4)

音楽堂でのあの会話も、それに続く理亜さんと央路くんのやり取りも、薄氷を踏むがごとき繊細な言葉選びによって、本当にぎりぎりのところで成り立っているものだ。

金色ラブリッチェ-Golden Time-(3)

ところで、絢華さんに二つ目の約束を託すとき、理亜さんはシルヴィさんに対する確認はとっていなかったように見える[^1]。あの約束って、当たり前といえば当たり前なんだけど「理亜さんとシルヴィさん二人のためのもの」ではなくて、「理亜さんの央路くんへ…

金色ラブリッチェ-Golden Time-(2)

これだな。 これが、いわゆる『ダチ』って距離感だと思う。 何を言ってもいい。何を言っても許される。 まあ異性なら多少感覚もちがってくるけど、特に同性の友達ってのは、そうあるべきだと思う。 (…)あいつにとって、これくらいの相手は……。 央路「なあ…

金色ラブリッチェ-Golden Time-(1)

ま、『見た』って事実が残れば充分だろう。 初めて見た外国人3人は、初体験ってだけで嬉しそうだし、 理亜「……」 央路「理亜?」 理亜「……」 理亜「…………」 「なんでもない」 元旦の夜明け前に央路くんが目覚めて、戸の外には寮の人達やシルヴィさんがぞろぞ…

Liber_7

Liber_7について何を書こうかなと考えるに、やっぱりまずは直斗くんが好きですって話になるかなと思う。まあね、ヒーローっぽい要素はあんまない男の子なんですよ。未來さんが思ってるほどには1信念だの考え方だのがはっきりしてるとも言い難くて、感情や性…

ラズベリーキューブ(2)

言葉を選ぶということでいえば、みなとさんのことはやはり印象深かったです。 みなとさんは、勢い任せに悟さんに体当たりしてきてるのかと思いきや――作中ではあまりその辺りのことについて明確に語られないんだけど――いろいろと様子を見ながら振る舞いを選ん…

ラズベリーキューブ(1)

何をさておいてもまずは、女の子の表情が豊かなのが素敵でねー、という話をせねばなるまい。 OPムービーを見たらそのあたりの雰囲気は少し分かるかもしれない。とりわけ印象深かったのは、期末テストの後の、ファミレスでの悠さんの楽しそうな笑顔かな。 悠…

金色ラブリッチェ

何をどう書いたものか迷ったのだけれど、やはり幼馴染みの話をしよう。ネタバレを気にする種類の作品だとは思うので、一応中身は畳んでおきます。

ナマイキデレーション

"帰り道、三人でいつもの駄菓子屋へやってきた。 新十郎「へぇ。渚の家ってこの近所なのか」 渚「まあね。この駄菓子屋さんも、子供の頃はよく来たよ」 新十郎「へぇ〜。じゃあ俺たち、小さい頃に会ってるのかもしれないな」 渚「そだね」 メイ「我もだな!…

夏恋ハイプレッシャー(2)

"月「そうだね。充実。うん、充実してるーって思う。空ちゃんが来てくれてから文句なしに」 空「大げさだなぁ。別に俺がいなくたってそれはそれで充実してるでしょ。月の性格ならなおさら」 月「くす、分かってないなぁ空ちゃんは」 そう言って一歩前に出る…