美少女万華鏡

 綺麗な、言うたらお人形さんみたいな女の子と、鄙びた温泉宿でゆっくりお話する。蓮華さんの言うことは、愛の恋の、運命の光の闇のとえらく大仰だしよく分からなくて、深見さんと蓮華さんの話はろくに噛み合っていないのだけれども、不思議なことに特にそれに対する違和感はない。二人のペースがお互いを侵し合うことなく、二つながら並行して流れているような風情だ。

 そんな風に、鄙びた温泉宿の一室で、ゆっくり、ゆっくり。仲居さんの声も聞いててとても心地良い。

 そうした会話の間合いには、(語弊のかなりある表現だけれど)ちょっとドリームクラブを思い出したところがあります。お金やピュアがどうこうという話ではなくて、お互いのペースが並行して進んでいく会話のさまがちょっと似てるね、という意味において。ドリクラの会話もいいですよね、女の子がちょこちょこ自分の話をしてくれたりして、男性の方はそれを自分の受け取り方で勝手に受け取ったりして、でもお互いこの関係が「ピュア」であるべきだと分かっているから、相手のペースに侵略していこうとはしないし、できない。けれどもちろん、段々とお互いのことが分かるにつれて、そのペースが溶け合っていくこともあったりしてね。


 んでキリエさんと滋比古さんのお話については途中ですが、なんというか、ド突き漫才かコントか、という感じで明後日の方向に面白いです。

"そうなのだろうか……。
私は、彼女に汚らわしい真似をしていたのか……?
恋心だと思っていたが、それは……いやらしい情欲でしかなかったと……?"

天然さん過ぎる。