2017-01-01から1年間の記事一覧

のまみちこ"みさと×ドロップ"

みさとさんは、さくらさんやちえりさんと比べて内省的というのかな、考えたり感じたことに囚われやすいようなところがある*1。だからこそこの三巻で、みさとさんが、さくらさんやちえりさんや身の回りのことごとに対して語ることについて、なるほどなあ、と…

のまみちこ"ちえり×ドロップ"

"大樹くん、来てるんだ。 ちょっとだけ、息をつく。イヤじゃないんだ。でも、うれしいかと聞かれると……。この気持ちを、なんで言っていいかわからないんだけど。 「チエリ、帰ってきたの? おかえり」 優しい声が台所の方から聞こえてくる。" "「もう、チエ…

のまみちこ"さくら×ドロップ"

"さくら×ドロップ"、"ちえり×ドロップ"、"みさと×ドロップ"と全三巻でそれぞれ主人公を変えながらの連作なので、一つずつ感想を書いていこうかなと思っています。各々カラーが違うのに、どれも凄く良いんですよこれが。 "「なっ……!」と、絶句するあたしに『…

水坂不適合"ひきこもり姫を歌わせたいっ!"

"「君、あれでいいと思ってるの?」 桐生さんだった。 言葉に詰まる。不安は病のように、心を侵食する。だけど、やっぱりいいんだと思えたのは、俺だけの曲じゃないことに気づいたからだ。四人で作った曲なのだ。そう思うと、言葉は勝手に出ていた。 「俺は…

栗原ちひろ"ある小説家をめぐる一冊"

悪魔交渉人も面白かったけど、本作は六使徒シリーズに匹敵するくらい好き(最上級の賛辞)。 このタイトルだし、「一人称の使い方が〜」なんて褒め方をするとまるでメタな仕掛けでも褒めてるのかなんて思われそうではあるけれども、いやいやそういう話ではな…

ナマイキデレーション

"帰り道、三人でいつもの駄菓子屋へやってきた。 新十郎「へぇ。渚の家ってこの近所なのか」 渚「まあね。この駄菓子屋さんも、子供の頃はよく来たよ」 新十郎「へぇ〜。じゃあ俺たち、小さい頃に会ってるのかもしれないな」 渚「そだね」 メイ「我もだな!…

夏恋ハイプレッシャー(2)

"月「そうだね。充実。うん、充実してるーって思う。空ちゃんが来てくれてから文句なしに」 空「大げさだなぁ。別に俺がいなくたってそれはそれで充実してるでしょ。月の性格ならなおさら」 月「くす、分かってないなぁ空ちゃんは」 そう言って一歩前に出る…

夏恋ハイプレッシャー(1)

飾らない言葉の端々がいちいち精度高くて、読んでて幸せな作品でした。大好き。 "月「冴子先生、違いますってば。空ちゃんとは恋人じゃなくて、血の繋がってない心の双子なんですよ? ちなみに私がお姉ちゃんです!」 「なぜわたしがお姉ちゃんなのかと言う…

猫忍えくすはーと

「お手紙」と来た! 即死級のパワーワードですよもう。食らったら死ぬしかない。 "たま「〜〜♪」 ゆら「姉は真剣に悩んでおるのだぞ。何をしている、たまよ」 たま「お手紙書いてるの」 ゆら「文(ふみ)で我らの想いが届くのなら苦労はしない」 たま「お手…

ワガママハイスペック アニメ版のBD特典ADV

ワガママハイスペックOCが発表されたこととは特に関係はないのですが、先日ようやくプレイしたアニメBDの特典ADVの感想。 いや、こういうの書きたくなるくらい、ほんと良かったのですよ。アニメだと尺の都合でみんな早口気味だったのが、ADVだといつものペー…

枯れない世界と終わる花(3)

"レン「みんなおうち、一緒じゃないの?」 コトセ「それは……」 コトセが言い淀む。 ユキナ「昔は一緒だったんだけどね。お年ごろってヤツ?」" エピローグ(というか個別ルートというか)ではもう一度みんなで暮らそうかみたいな話は全然出てこないけれど、…

枯れない世界と終わる花(2)

"アカリ「私も看取られるなら、ユキちゃんがいいわ」 「残される側の気持ちを分かっていながら……」 「”娘”にこんなことを頼むのは、酷い母親気取りだとも思うけれど」 呟くようにそう言いながら。 傾いた柔らかい陽射しに包まれて。 アカリさんは、ただただ…

枯れない世界と終わる花(1)

どう書くべきか、けっこう悩むのですけれども。そうだなあ、まずは体験版をやった時の感想から書いていこうか。 "コトセ「レン、食べたままでいいからちょっとこっちおいで」 寝癖のついたレンの髪に櫛を通す。 「女の子なんだから、身だしなみには気をつけ…

まじかりっく⇔スカイハイ

隼人さんとゆりかさんは胸キュン幼馴染エピソードの宝庫ですね。 "ゆりか「だって……はーちゃんが、長い方が似合ってるって……」 (…) 隼人「サラサラなのに柔らかくて……好きなんだよ。このさわり心地」 「だから、長い方がいいって言ったんだ。その分寝ぐせ…